高齢者におすすめの健康法『室内スロージョギング』のやり方

高齢者向け健康法『室内スロージョギング』

膝や腰に負担をかけない運動として人気の『スロージョギング』は、家の中でも気軽に実践できるのにいろんな効果が期待できる高齢者におすすめの健康法。
そこで、室内でスロージョギングを行う場合はどんなやり方がよいのか?走り方や注意点をまとめてみました。

シニアにおすすめの健康法『スロージョギング』

膝痛・腰痛でもムリなく行えます

高齢者は膝痛・腰痛でなかなか運動ができないもの

スロージョギングとは、ウォーキングと同じような速度で走るジョギングになりますが、走り方のポイントのとして足の指の付け根の部分で着地する「フォアフット」が挙げられます。

この走り方は、衝撃力がかかとでの着地に比べ1/3に軽減されるので、ひざや腰への衝撃も軽くなり、膝痛や腰痛の方でも無理なく行えるのが特長です。

また、ウォーキングとは違って日常では使わないふくらはぎなど下半身の筋肉を使うことで、筋肉量の増加による腰や膝の痛みの軽減も期待できます。

有酸素運動で活性酸素を除去

活性酸素が増えると体が酸化し、いろいろな病気の原因になると言われています。

運動は体によいとされていますが、呼吸が激しくなる無酸素運動などを行うと、活性酸素が増えることがわかっています。

一方、水泳やランニングなどの有酸素運動は、活性酸素の発生量を抑えつつ、活性酸素に対する体の抵抗力を高めることがわかっています。

有酸素運動のスロージョギングは体の活性酸素を除去し、体の抵抗力を高める

スロージョギングは、歩くぐらいのスピードでゆっくりした走る軽運動ですが立派な有酸素運動です。

カロリー消費も効果的!ダイエットでメタボ予防も

ウォーキングを時速5kmのスピードで1時間、つまり5km歩くと消費カロリーは約150Kcalから180Kcalになりますが、スロージョギングなら同じ距離で約300Kcalと、じつに1.6倍~2.0倍のカロリーを消費することができます。

膝や腰が悪くなると体を動かす機会が少なくなり、メタボや高脂血症などを併発しやすくなるので、短時間&低負荷でも効率よくカロリーを消費することができる運動をおすすめします。

スロージョギングダイエットでメタボ予防

高血圧対策や脳梗塞予防の効果も

スロージョギングの提唱者である福岡大学の田中教授の話では、平均年齢75.5歳の心臓病や高血圧症の薬を服用している患者さんを対象に、スロージョギングを1日30分から60分・週3~5回試してもらった結果、最高血圧と最低血圧共に10mmHG以上低下するという驚くべき結果が出たようです。

スロージョギングで高血圧も改善<

薬を服用してもなかなか下げきれなかった血圧が、スロージョギングを併用したことで、正常血圧まで下げることができたことが立証されたのです。

血圧が正常になれば、脳梗塞などの病気が発生するリスクも軽減されることになります。

天皇・皇后両陛下もおこなわれている健康法

両陛下ともご年齢は80歳を越えておられますが、スロージョギングをされていることがわかりました。

宮内庁が公開した情報では、両陛下は健康維持のため朝6時半から30分ほど御所の庭を散策されるのが日課となっており、散策の途中で300メートルほどスロージョギングを取り入れておられるそうです。

スロージョギングは、体力が落ちやすいご高齢のかたでも普段の生活のなかで気軽に行える運動でいろいろな効果も期待できます。

室内スロージョギングのやり方

ジョギングは外で行うものというのが普通ですが、スロージョギングはゆっくりした動作で行う軽運動ですので室内でも行うことができ、室外で行う時と同等の効果を得ることができます。

とくに、体力に自信のない高齢者の方・膝痛や腰痛などの持病をお持ちの方には室内スロージョギングをおすすめします。

フォアフット(足の指の付け根)で着地する

家の中でのスロージョギングは、カーペットやフローリング・畳のうえを走ることになりますが、そのときも着地するときはかかとではなく足の指の付け根が地面につくようにします。

このフォアフットの走り方を意識することで、着地の際の衝撃が軽減され、足・膝・腰への負担が軽くなります。

通常のかかと着地はスロージョギングのフォアフット着地の3倍の衝撃

時間は1日30分~1時間が目安

スロージョギングの実施時間は1日に30分~1時間くらいが適していますが、初心者・高齢者の方は最初は無理をせず、1日30分くらいから始めましょう。

30分連続していなくてもかまいませんので、家事の合間やトイレに行った時など時間が取れるときに少しずつ行い、1日トータルで30分になればOKです。

通常のかかと着地はスロージョギングのフォアフット着地の3倍の衝撃

いつでもどこでもできる。

これが室内スロージョギングが人気となっている一番の理由です。

慣れて来たら、徐々に時間を増やしましょう!1日1時間くらい行うと得られる効果も大きくなります。

その場で足踏みでもOK

スロージョギングの基本は足踏み運動ですので、家の中が狭くて走るスペースが取れないという場合も、走らずに「その場で足踏みするだけ」でも大丈夫です。

室内での足踏みスロージョギングのコツは、背筋を伸ばした姿勢で1秒間に2歩のペース、着地はフォアフットで、室外でのジョギング時より膝を少し高めに上げると効果的です。

息が上がるようでしたら、疲れない程度のペースに落としてもかまいません。ご高齢の方であれば、ウォーキングとジョギングを繰り返す方法もおすすめです。

高齢者はスロージョギング&ウォーキングがおすすめ

スロージョギングの提唱者である福岡大学の田中教授は、著書「90秒スロージョギングダイエット」(メディアファクトリー)で、「1分ジョグ&30秒ウォーク」を奨めておられます。

方法は簡単で

『1分間走ったら、30秒歩く』

これを繰り返し行うだけです。

スロージョギング&ウォーキング

走ることが苦手な人やシニア世代でも、スロージョギングなら大半の方が「1分間なら走り続けることができる」というデータがあります。

1分間走って少し疲れたと感じても、その後に30秒間歩くことで体力が回復し、また走る気力が湧いてくるというもので、スロージョギングの初心者や高齢者を対象に推奨されている走り方です。

このスロージョギングとウォーキングを交互に行う方法を1日に40回やれば1時間分の運動量になります。

室内スロージョギングの注意点・コツ

ストレッチ・柔軟はしっかりと

スロージョギングはもともと軽運動で、準備運動にも使われる走り方ですから、走る前に準備運動をする必要ありませんが、走り終わった後はきちんと「ストレッチ」することが大事です。

とくに、太ももの前と後ろ、ふくらはぎの部分、お尻の筋肉をしっかり伸ばしておきましょう。

スロージョギングの後はストレッチ

テレビや音楽をつけて「ながら運動」がおすすめ

「これから運動するぞ」と構えて行う姿勢ではなく、好きなテレビ番組を見ながら、あるいは音楽を聴きながら行う「ながら運動」がおすすめです。

このやり方なら、30分~1時間という時間はあっという間に過ぎます。走ることに飽きてしまう可能性も低くなり、毎日走ることへのモチベーションを保つことができるでしょう。

ながら運動だと長時間でも飽きずに続けられます

マンションやアパートでは階下への騒音に配慮

スロージョギングは足踏み運動ですので、マンションや戸建ての2階などで行うと足音が階下に響いてしまうことがあります。

室内で行う際には階下の方への騒音にならないよう、厚手のカーペットや防音マットを敷くなどの配慮をするようにしましょう。

足音での階下への騒音には注意

室内でできるスローステップ運動もおすすめ

NHKためしてがってんでも紹介の踏み台昇降運動

スロージョギングと同じく田中教授が提唱している高齢者向けの健康法のひとつに、室内でできる「スローステップ運動」があります。

スローステップとは、高さ20cmほどの踏み台を昇り降りするだけの室内でも簡単にできる運動ですが、スロージョギングにも負けない効果があります。

こちらもスロージョギングと同じで遅筋を使うため疲れずに続けることができます。

スローステップ運動のやり方

まずは20cmほどの高さの台を用意します。

ステップ台の正面に立ってリラックスした状態から

  1. 右足を台にのせます
  2. 左足を台にのせます
  3. 右足を台から下ろします
  4. 左足を台から下ろします
  5. 今度は、左足から台にのせます
  6. 右足を台にのせます
  7. 左足を台から下ろします
  8. 右足を台から下ろします

このように、1~8のワンセットで2回上り下りをします。

後半の5~8では上げる足の順序が替わるのがポイントです。

このスローステップは、1分間に15回行うと時速4キロ、20回なら時速5キロ、25回なら時速6キロのスロージョギングに相当する運動量になります。

ステップ台
ステップ台は高さが20cmくらいの丈夫な台であれば何でもいいですし、スポーツ用品メーカーなどからいろいろな種類のステップ台が販売されています。

楽天の口コミで人気の手軽にスローステップ運動ができるダンボールの踏み台

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