筋トレは高齢者に効果アリ!腰痛/冷え性/転倒予防
筋トレは高齢者にもいろんな効果が期待できることが話題になり、ジムへ通う方や自宅で腹筋や体操を始められる方も増えているようです。『筋トレ』で期待できるいろんな効果についてまとめてみました。
目次
高齢者も筋トレが必要?
筋トレの目的~筋肉の重要な働き
筋トレ?60歳も越えていまさら~ライザップみたいな筋肉ムキムキとかならなくていいよ。
という声をまわりのシニア世代からよく聞きます。
がそんな方に、筋肉は体を動かす以外にもとても重要な働きをもっていることを説明すると「筋トレ始めようかな」となられます。
筋肉が持つ重要な働き
- 体を動かす、姿勢を正す
- 免疫力を高める
- カロリーを消費する
- 水分を貯める
- 体温を維持するための熱をつくる
- 心臓や循環器の動きを助ける
- 骨を強くする
- 体のラインをつくる
筋肉量が増えることでこれらの働き(機能)が上がり、病気をしにくい体づくりや、高齢者に多い足腰の痛みなどの改善・緩和も期待できます。
最近では梅雨から夏場にかけての熱中症対策(水分補給)にも筋肉を鍛えるのが効果的であると言われています。
高齢者こそ筋トレが必要!
普段何も運動をしていない一般の人の筋肉量は、20歳くらいでピークに達し、30歳を過ぎたあたりから毎年1%ずつ減少していき、50歳を過ぎたあたりから、加齢の影響で減少速度が速くなり、毎年2%ずつ減少していくと言われています。
あくまで単純な計算ですが、30歳の筋肉量を100とすると、40歳のころには90%、50歳で80%、60歳では60%、70歳では40%まで減る計算になります。
普通に生活しているだけで落ちてしまう筋肉量を落とさない(現状維持の)ためにも高齢者こそ筋トレが必要なのです。
筋肉はいくつになっても鍛えられる!(増やせる)
70歳以上でも継続して筋トレすることで筋肉量が増えてくることが分かっていて、しかも増加率は若いころとほとんど変わらないと言われています。
高齢者だからといってあきらめないで、しっかりと筋トレをすることでこんな↓効果も期待できます。
筋トレ効果で高齢者の○○予防
筋トレにより筋肉量が増えると、体にとっていろいろな面でプラスになると共に、高齢者にとって次のようなトラブル・病気の予防効果が期待できます。
転倒予防
人の体の筋肉は、60%が下半身に集中しているため、筋肉量の減少は下半身に顕著に表れます。
筋肉量が減ると足を上げる力が低下し、頭の中では足を上げているつもりなのに、実際には動きが不十分で結果としてつまずいて転倒することが多くなります。
筋トレにより筋肉量を増やすことが転倒予防につながるので、おもに太ももを中心に股関節やおしりの回りの筋肉を鍛えると効果があります。
熱中症予防
熱中症は、おもに高温多湿のために体の水分と塩分(ナトリウム)が不足することが原因で起こりますが、筋肉には水分を貯める働きがあり体全体の水分の約70%が筋肉の中に貯められています。
筋トレで筋肉量が増えると体の中の水分補給量が増加し、熱中症にかかりにくい体になります。
また前述のように、筋肉は全体の60%が下半身にありますので、熱中症予防には下半身の筋トレを重点的に行うのが効率的といえます。
ひざの痛み予防・緩和
高齢者に「ヒザの痛み」はつきものですよね。
膝関節は、太ももの筋肉で支えられています。
下半身の筋肉が低下すると、体重が支えられなくなり関節に負担がかかりすぎて痛みが起こるので、改善するには下半身(とくに太もも)の筋肉を鍛えるのがイチバン!
太ももの前側の筋肉を鍛えることで、ひざ関節が安定し、ひざ全体に均等に圧力がかかるようになり、クッションの役割をしている半月板の損傷が防げ、ひざ痛の改善や予防に効果があります。
私も「ひざ痛」に悩まされ、整形外科で治療を受けたり、薬を処方してもらったりしていましたが、かかりつけ医から太ももの筋トレを進められ、市が運営している近くのトレーニング教室に週3日ペースで通ってみたところ、3か月ほどの筋トレで痛みがだいぶ和らぎました。
※効果には個人差があります
認知症予防
筋肉と認知症は関係ないように思えますが、身体を動かすには脳の働き(制御)が重要であり、運動不足で筋肉量が減少すると、脳の活動も低下することがわかっています。
認知症は脳の記憶中枢である海馬の領域の血行が悪くなって発症する病気です。
身体を動かし筋肉量を増やすことは、脳の血流を良くする効果があることから、筋トレは脳の活動を増やし、血の巡りもよくなることで認知症予防に効果があると言われています。
冷え性予防
筋肉は体の中の最大の発熱器官で体温の40%近くを産生します。
筋肉量が減少すると、発熱量が減少し体温が維持できなくなり冷え性が悪化します。
適度な筋トレを行うことで、筋肉の発熱量を維持することができ、あわせて手先足先への血液の流れもよくなるため冷え性の予防につながることが期待できます。
ガン予防
筋肉が体の中の最大の発熱器官であることは先程述べましたが、近年、大人の平均的な体温が昔に比べ1℃近く下がり35℃台の人が増えたという報告書があります。
これは由々しき問題で、体温が低下すると免疫力が低下し、病気にかかりやすい体になってしまいます。
ガン患者の方の体温は平均的に低いというデータがあり、体温の低下=免疫力の低下となり、ガン細胞が最も増殖しやすい状態になると言われています。
逆に言えば、体温が高い人は、ガン細胞が増殖しにくい体であると言えます。筋トレで筋肉を鍛えることで体温が上がれば、ガンの予防につながることにもなります。
あなたの体温(平熱)は36℃以上ありますか?
糖尿病予防
血液中の余分なブドウ糖は、主に筋肉に取り込まれ、エネルギー切れが起こらないように備蓄されます。
筋トレによって筋肉を動かすと、筋肉へのブドウ糖の吸収・消費が高まり、筋肉量が増えるとブドウ糖を取り込める量も増加します。
これにより血液中にブドウ糖が余りにくくなり、その結果、血糖値が上がるのを防ぐ=糖尿病の予防対策になると言われています。
腰痛予防
ほとんどの腰痛の原因は、腰周辺の筋肉が硬くなることが原因です。
腰の筋肉が硬くなることで、神経が圧迫されて痛みが起きるので、硬くなってしまった筋肉を柔らかくしていけば腰痛は解消されます。
腰痛の予防・改善のための筋トレとしてこの2つが一番効果的だと言われています。
- 腹筋や背筋を鍛えるトレーニング
- 腹筋近くのインナーマッスル*1を鍛えるトレーニング
腹筋回りのインナーマッスルを鍛えるには「バランスボール」を使うと便利です。
価格も安く(1,000円位で購入可能)、自宅でも簡単にできる筋トレです。
*1)インナーマッスルとは、体の外から触れることができない深層の筋肉のこと