腰痛の原因は内臓疾患やストレス?原因不明の症状に注意!
これまで腰痛の原因は、腰の筋肉や骨・椎間板・神経などに異常があるため発症するものと考えられてきましたが、実際の原因はもっと多様で複雑なものであることがわかってきました。
とくに、内臓疾患による腰痛が増加傾向にあり、様々な病気が隠されていることへの注意が必要であると言われています。
そこで改めて腰痛の原因が何なのか?病気がどんな腰痛の症状を引き起こすのか?原因と対策(腰痛の予防・治し方)についてまとめてみました。
腰痛の原因
腰痛の原因は、人によってさまざまありますがおもに「体」「心」「病」の3種類に分類されます。
一番多い原因は、やはり「体の衰えや歪み」によるものですが、精神的ストレスや腎臓・肝臓などの内臓疾患が要因となっている場合もありますので高齢者の方はとくに注意が必要です。
それぞれの具体的な原因をまとめると以下のようになります。
体(筋肉/骨/神経)の異常が原因の腰痛
筋肉の衰え(運動不足・加齢)
高齢者の方やデスクワークが多い方は、普段から運動不足になりやすいため下半身(足・腰)の筋力が衰えているケースがよくあります。
筋肉が衰えると骨盤にかかる負担を支えきれなくなり、腰痛を起こしやすくなります。そして、痛みがあるとなおさら運動をしなくなり非常に悪循環です。
体を支えるための筋力が衰えないように、普段から筋トレなどの運動を行うことが腰痛予防には不可欠です。
パソコン・スマホの姿勢も腰痛の原因
姿勢(背骨・骨盤のゆがみ)も腰痛になる大きな原因と言われ、 とくに最近はパソコンやスマホの姿勢によるものが多くなっています。
1日中パソコンに向かって仕事をしていると前かがみの姿勢、いわゆる「猫背」になっていることが多くあります。
前傾姿勢は腰の筋肉に大きな負担がかかり、神経を圧迫することにもなるので腰痛を引き起こしやすい典型的な姿勢になります。
また、ストレートネックについても問題になっているスマホの「うつむき姿勢」も腰痛の原因になりやすく、とくに通勤の電車やバスなどイスに座った状態で下をのぞきこむ姿勢は腰への負担も大きくなります。
日頃から腰への負担をかけない生活習慣に変えることで腰痛を防げます。
腰痛になりやすい寝方~ベッドや布団があってない!?
夜寝るときの姿勢(寝方)が原因で腰痛になるケースも多くあるようです。
睡眠中、人間は無意識のうちに寝返りをうって一番ラクな姿勢をとろうとしますが、あお向けやうつ伏せの状態での睡眠を続けると腰の部分が反る姿勢になり腰痛を引き起こしやすくなると言われています。
とくに仰向けで寝る場合は、頭・腰・足に均等に体重がかかるのがベストですが、ベッド・布団の硬さや枕の高さが身体に合っていないと腰の部分にのみ大きな負担がかかり腰痛の原因となります。
激しい運動による筋肉痛や急性腰痛症(ぎっくり腰)
激しいスポーツをした後や肉体労働などで腰に負担をかけた時に腰痛が起こることがあります。
原因は運動や労働そのものですが、間接的には運動前のストレッチやその後のマッサージを怠っていたことが原因と言えます。
とくに重いものを持ち上げたりなどの動作は、いわゆる「ぎっくり腰」を引き起こす原因になりやすいので腰に負担をかけない持ち方・動きに気を付けることが大切です。
更年期女性の腰痛は骨の老化が原因!?
更年期の女性には、骨粗しょう症で骨がもろくなり圧迫骨折を起こす方もおられますが、この骨粗しょう症になると背骨が曲がるなど骨盤にも歪みが生じて背中から腰にかけて痛みが起こることがあります。
また、更年期は女性ホルモンの分泌が減少し、その影響でホルモンバランスが変わります。すると背骨や骨盤の回りの筋肉が緩みやすくなり、腰に負担がかかり腰痛を引き起こすとも言われています。
女性に多い便秘が原因の腰痛
便秘の悪化によって腰痛を引き起こすこともあります。
便秘により便がせきとめられ腸内にガスたまることで、腸が膨らみ腰や背骨を圧迫するため腰痛を引き起こすと考えられています。
また、腸内にたまったガスが腸壁から血液中に入り込むことにより血行不良を招き、筋肉が疲れやすくなるために腰痛になるという説もあります。
この便秘に起因する腰痛は、特に女性に多く発症する傾向があるようです。
精神的ストレスが原因の腰痛
心因性腰痛症
からだの組織が痛んだ時、痛みの信号が脳に伝わりますが人間の脳には痛みの信号を抑制するシステムが備わっています。
ですが、この痛みを抑制するシステムは強いストレスに長くさらされていると正常に機能しなくなると言われています。
また、ストレスが溜まると身体の機能をコントロールする自律神経のバランスが崩れ、痛みを感じるセンサーが強く働くようになり軽い症状でも強い痛みを感じるようになります。
腰に負担をかけたわけでもないのに腰痛がひどいという場合は、ストレスが原因となっている可能性があり、この症状は『心因性腰痛症』と言われています。
ストレスは、仕事の悩みや職場・家庭の人間関係など様々な要因で溜まりますので、高齢者に関わらず30代40代の若い世代でも起こる可能性があります
病気(内臓疾患)が原因の腰痛
腰痛は外的な原因だけでなく、病気による痛み(症状)であることも懸念されるので、内臓疾患を患った方や健康診断で数値が正常でなかった方などは十分な注意が必要です。
腰痛の原因になる病気
腰痛を引き起こす病気としては次のようなものがあります。
- 大腸がん
- 肝臓がん
- 腎盂腎炎
- 十二指腸潰瘍
- 胆石症
- すい炎
- 胆嚢炎
- 骨粗しょう症
- 膀胱炎
- 月経不順など
腰痛が起こり下記のような症状が見られたら、内臓の病気が原因である可能性がありますので病院で受診しましょう。
病気が疑われる腰痛の症状
- じっとしていても痛みがあり、どんな姿勢にしても痛みが続くような場合
- 痛みの症状が改善せず、だんだん強くなっているような場合
- お腹がいっぱいの時は痛みが無いのに、空腹になると痛みがでるような場合
- 排尿する時に痛みを感じ、おしっこに血が混じっている場合
- 生理のときに痛みが強まる場合
また、身体を前屈や後屈・側屈したり腰を回したりした時に腰に痛みが出るのであれば、筋肉や骨・関節などが原因と考えられますが、痛みが出ない(変わらない)場合は内臓に原因がある可能性が高いと言えます。
腰痛の治し方
病気が原因または原因不明の腰痛
上記で紹介したような症状が出ている場合は、腰痛の原因が病気(内臓疾患)である可能性が高くなりますので、できるだけ早く病院で受診されてください。
また、腰痛の原因が不明な場合も整骨院ではなく病院で診断してもらうのがおすすめです。
各症状で受診する専門科が異なりますので、こちらの記事で腰痛は何科の病院を受けるべきかまとめています。
生活習慣が原因の腰痛の治し方
腰痛の原因は「体」によるものが多いことはご説明しましたが、この原因は日頃の生活習慣と密接に関係していることがわかっています。
生活習慣を改善することで腰痛の緩和・予防ができる「腰痛の治し方」について下記の代表的な方法を次回からご紹介していきます。
- .ストレッチで腰痛改善
- .体操・筋トレ・ウォーキングで腰痛予防
- .ツボで腰痛を緩和
- .姿勢改善~椅子・クッション
- .食事改善~腰痛にいい食べ物・飲み物
- .腰痛を軽減してくれる対策グッズ
- .腰痛がひどい時の寝方