高齢者の転倒予防体操~椅子[座位]でできるおすすめ運動
高齢者の転倒による事故やケガは、何気ない普段の生活の中で多く起こっています。
転倒を予防するためにはカラダの衰えを抑えることが大切!
そこで今回は、高齢者の転倒予防におすすめの体操・運動をまとめてみました。
目次
高齢者の「転倒」によるケガや骨折
高齢者は転倒による事故で、約1割の人が骨折するとも言われています。
下半身のケガや骨折は「寝たきり・運動不足」の引き金となり、急激な筋力・体力の低下を招くため注意と対策が重要です。
自宅・室内での転倒に注意
高齢者の転倒場所で一番多いのは『自宅・室内』で全体の60%以上を占めています。
60歳を超えると自分では気付かないうちに体力・運動能力が落ち、いつもできていることが出来なくなります。
また、高齢者には骨粗しょう症の人も多く、ちょっとした転倒で骨折するケースもあります。
高齢者が転倒しやすい原因は?
転倒を予防するために、まずは転倒する原因を把握することが大切です。
高齢者の転倒は内的要因・外的要因が多々ありますが、身体機能に関したものとしては
- 筋力(とくに下肢)の低下
- バランス機能の低下
- 視力低下や視覚障害
- 咄嗟の判断力の低下
- 鎮静剤や降圧剤など服薬による副作用
などが挙げられます。
おもに「加齢」による身体機能の低下となるため、これらすべての要因を改善することは困難ですが、その中の一部でも改善できれば転倒の確率を下げることができます。
転倒予防の筋力トレーニング
転倒を防止するには、日頃から体を衰えさせないための「トレーニング」が重要です。
とくに、高齢者の転倒予防には「下肢」の筋力トレーニングが効果的です。
下肢の筋力強化トレーニング
筋肉は使わないと減っていきます。
なかでも、足の筋肉は増加・減少が速いので効果がでやすい部位でもあります。
転倒予防のためには、
- 大腿四頭筋(太もも)
- 下腿三頭筋(ふくらはぎ)
- 足裏・足指
の筋肉を鍛えるのがベストです。
高齢者向けの下肢筋力トレーニング
われわれシニア世代の筋トレは、毎日の生活リズムの中に取り入れて行えるものが最適で、
- 椅子に座ったまま、踵とつま先の上げ下げ
- 椅子につかまって立ち、踵の上げ下げ
- 椅子につかまってのスクワット
- 足指のぐーぱー運動
など、椅子を使った運動は道具を用意する必要もなく、手軽に取り組める転倒予防におすすめのトレーニングです。
具体的なトレーニングの方法やおすすめの体操・運動を以下にまとめてみました。
高齢者におすすめの転倒予防体操・運動
椅子に座ったままできる「棒体操」
名前の通り、約1mほどの細い棒を使って行う体操で、椅子に座ったままできますので高齢者の方でも簡単に行えます。
棒体操はデイケアなどの施設を中心に、介護予防のための健康体操として広まっています。
棒体操の効率的なやり方などをイラストで詳しく解説した書籍も販売され、リハビリや介護の専門職の方も読まれているようです
棒は楽天などの通販サイトで購入できますが、新聞紙を丸めて使う方法でもOKです。
サザエさんのリズムにのって楽しく体操
みなさんご存知の「サザエさん」のテーマにあわせて行うおすわり体操。椅子に座ったままの運動ですが腕・足を十分に動かすのでトレーニングとしてはかなりの効果です。
ラジオ体操もそうですが運動や体操は、音楽などリズムにあわせて行うとテンポよく楽しく行えます。
椅子に座ってできる体操は膝への負担も少なく、シニア向けの運動として最適ですが、毎日行うのはちょっと…という方も。
運動は毎日続けることが大切ですので、「ながら」でも行える簡単なものがおすすめです。
転倒予防に足指運動が簡単&効果的!
人は立つとき、歩くとき、走るとき、バランスをとるとき、日常生活のあらゆる動作で「足裏」を使います。
足裏の筋肉を鍛えることで、体の土台を強化でき、さまざまな動作がスムーズになります。
『足指運動』は、足裏の筋肉を簡単に鍛えることができ、転倒予防のトレーニングとして効果的です。
足指じゃんけん~グーチョキパー運動
日々の生活で靴下や靴を履いて過ごすことから、大半の方は足指を広げる筋力が弱くなっています。
足指でグー・チョキ・パーの形をつくる運動は、足の指を曲げたり広げたりすることで、足裏の筋肉のトレーニングができます。
立ち姿勢でのバランスを維持したり、歩くときの推進力を出すのに大切な足指の力も鍛えられます。
最初はうまく広がらないかもしれませんが、繰り返し運動することで徐々に広がるようになります。
足指じゃんけんでどうしても「パー」ができない人はこちろの動画も参考になります。
タオルギャザー(指つかみ)で足指トレーニング
足裏の筋肉を鍛える方法としてタオルギャザーという足指のトレーニングがあります。
足指のみを使って床に敷いたタオルをつかみ、たぐり寄せる運動です。
このトレーニングは、『足裏のアーチ構造』を保持するための筋肉を鍛えるのに有効なトレーニングで、足が地面に着地する時の衝撃を緩和する効果も期待できます。
足の指が広げられない方におすすめのグッズ
実際に足指運動をやってみても、うまく足の指が広げられないという方もシニア世代には多いかと思います。
そんな時にはこんな↓健康グッズを使ってみるのもおすすめです。
簡単健康グッズ『足指を広げる靴下』
履くだけで足指の間が強制的に広がり、足裏の筋肉トレーニングができる健康ソックス。
ハーフタイプなどいろいろなデザインやカラーがあるので、普段から履きやすいものを選びましょう
natural sunny
重ね履きもしやすいシルクの5本インナーソックス
七福ふくふく福袋
2足セットで1000円ポッキリ!のお買い得な5本指ソックス
テレビで話題の『足ゆび運動ぞうり』
熊本大学と「誉(HOMARE)」という会社が共同で研究開発した健康サンダル「足ゆび運動ぞうり」
転倒予防に効果があることが学会で発表されており、NHKの情報番組「おはよう日本」のまちかど情報室コーナーでも紹介された話題の商品です。
足指部分に段差がつけてあり、「つかむ」動作をサポートし、履いて歩くだけで足指の筋トレができます。1日30分履いて歩くだけで、約2500回分の足指トレーニングと同等の効果があるとのことです。
足ゆび運動ぞうりの効果や口コミなどについてはこちらの記事でまとめています。