いびきの原因を解消!対策と治療[外来/手術/薬]&防止グッズまとめ
シニアになるといろいろな病気とお付き合いしますが、自覚がなくて意外と危ないのが『いびき』
周囲にも迷惑をかけますし、脳梗塞や睡眠時無呼吸症候群の恐れもあるので早めの治療・対策がおすすめ。
いびきの原因から治療(手術・外来・薬)、簡単にできる予防方法やべんりな防止グッズまでいびき対策をまとめ。
いびきの原因
いびきの仕組み
いびきは眠っている時にのどの奥で空気の通り道「気道」が狭くなり、のどや鼻の粘膜が振動することで起こります。
これは、睡眠時に身体の筋肉(舌を含めた喉の回りの筋肉)が緩むため、重力により舌が落ち込むこと(舌根沈下)で気道が狭くなるためです。
いびきの種類
いびきは大きく分けて二つに分けられます。
単純性いびき
一時的ないびきで、疲労や、鼻づまり、寝る前の飲酒、睡眠薬の服用、風邪などの病気が原因で起こるいびきです。
原因を除去すればいびきは解消します。
睡眠時無呼吸を伴ういびき
常時いびきをかいており、音が他人から指摘されるほどうるさく、睡眠時に呼吸が停止している状態になる場合は、「睡眠時無呼吸症候群」の疑いがあります。
放置しておくと睡眠時無呼吸は悪化し、寝不足による居眠り運転での交通事故を起こしやすくなり、また、高血圧や糖尿病、心臓病などの疾患発生につながるリスクが高くなります。
- 【睡眠時無呼吸症候群】とは
- SleepApneaSyndrome略してSASとも言われます
睡眠している時に呼吸が停止する状態(無呼吸)が何度も繰り返される病気です。
一般に、10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上か一晩(7時間)に30回以上起こると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
呼吸が止まるたびに脳が短時間覚醒擦るため、眠りが浅くなります。
そのため、起床時の頭痛、日中の強い眠気、疲労感、集中力の低下などの自覚症状が現れます。
いびきの原因
いびきが起こる要因は、のどの回りの筋肉が緩み、空気の通り道である気道が狭くなるためですが、では筋肉が緩む原因は何でしょうか
いびきの原因は多岐に渡ります。個人差がありますし、同じ人でも日によって違います。
また、複数の要因が重なりあっていびきをかく場合も多いようですが、以下のような特徴や習慣のある方がいびきをかきやすいと言われています。
- 肥満体質
- 睡眠時口で呼吸
- あお向けで睡眠
- 鼻炎、鼻づまり
- 疲労、ストレス
- 寝る前の飲酒
- 睡眠薬の服用
- 高齢、老化
いびきを改善・解消するには、いびきの原因を取り除くことが必要であり、自分のいびきの原因を探すことが解消への第一歩です。
いびき治療~病院
病院は何科を受ければいい?
いびきに関する治療はまず耳鼻咽喉科のある病院での受診をおすすめします。
鼻づまりや鼻炎などいびきの原因が鼻にある場合、耳鼻科での治療でいびきが改善します。
ただ、いびき音がうるさく睡眠中に呼吸が停止する「睡眠時無呼吸症候群」の疑いがあるような場合は、「いびき外来」のある病院で受診されることをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群の場合に出る症状
- 寝ている間の症状
- ・いびきをかく
・いびきが止まり大きな呼吸とともに再びいびきをかき始める
・呼吸が止まる
・呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
・何度も目が覚める、トイレに行く - 朝起きた時の症状
- ・口が乾いている
・頭痛がする
・熟睡した感じがない
・すっきり起きられない
・体が重いと感じる - 起きている時の症状
- ・居眠りをする
・だるさ、倦怠感がある
・集中力が続かない
・いつも疲労感がある
いびき外来でじっくり直す
いびき外来では、睡眠時無呼吸の検査をします。
自宅でできる「簡易検査」又は脳波もとって詳しく調べる「入院検査」を行い、睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、治療に移行します。
治療法としては、軽度の方は歯科器具の「マウスピース治療」や「いびき体操」等があります。
中等以上の人は、機械で鼻に空気を送り込む「CPAP療法」が有効です。
いびき治療の種類と費用・料金
歯科器具「マウスピース」治療
軽度の睡眠時無呼吸症候群の方に適した治療法です。
マウスピースはプラスチックを自分の歯形に合わせて成型して作る歯の矯正具です。
毎日マウスピースを着けて寝るだけで、いびきが改善されます。
いびき対策のマウスピースは、下あごを上あごより前方に出すように固定させて作ります。
これをつけて寝ることで、舌がのどの奥に落ち込むのを防ぎ、気道を広く保つようにしていびきを防止するものです。
市販されているマウスピースとは作り方が違いますので注意が必要です。
いびき外来で担当の歯科を紹介してくれますし、同じ病院に歯科があればそこで作成して貰えます。保険も適用できます。
最初に装着した時には違和感があり、朝目を覚ますとあごがだるく感じますが数日間使用していると違和感はなくなりフィットします。
ただ、何年か使用すると汚れたり破損したりしますので、その時は再度作り直す必要があります。
- 治療にかかる費用・料金の目安
- 保険適用:30,000円前後
CPAP(シーパップ)療法・・・経鼻的持続陽圧呼吸療法
中等以上の睡眠時無呼吸症候群の方に対して有効な治療方法です。
空気に圧力をかけて鼻から強制的に送り込み、閉塞している気道を広げる療法です。
枕元に専用の機械を置いて、就寝時に鼻に装着して使います。
CPAP治療を続けるには定期的に外来受診が必要です。
- 治療にかかる費用・料金の目安
- 検査費用(保険適用):20,000~50,000円※検査方法による
CPAPレンタル料金:約5,000円/月々
鼻の手術(レーザー治療)
いびきの原因がアレルギー性鼻炎からくる鼻づまりである場合、まず鼻炎治療が必要であり、最近レーザー治療が多く使われます。鼻粘膜をレーザー照射により変性させ治療するものです。
また、鼻の湾曲など構造が原因でいびきをかいている場合、湾曲を直す手術を行う方法がありますが、数日の入院が必要になる場合もありますので、病院でよく相談のうえ、決めることが大事です。
- 治療にかかる費用・料金の目安
- 手術料金(保険適用):40,000円前後
いびき治療~薬
いびきの治療は、CPAPやマウスピースでの治療が一般的ですが、薬による治療もあります。
ただ、薬による治療は症状を軽くし一時的にいびきを抑えることはできても、完全に治すということは難しいようです。
比較的軽症の場合の対処法と考えてください。
市販薬
点鼻薬:アンスノール
いびき防止薬として認知されている薬です。
鼻炎や鼻詰まりで鼻の粘膜が乾くと、鼻で呼吸するのがつらくなって、口呼吸になりいびきをかきます。
その鼻の粘膜の乾きを改善してくれる薬がエスエス製薬のアンスノールです。
漢方薬
漢方薬は健康にもよいのでおすすめです。今は医師の処方箋がなくても薬局で購入できます。
いびき治療に効果があるとされる漢方薬と効能
- 葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)
- 鼻のとおりを良くして鼻呼吸で眠れるようになります
- 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
- 筋力の低下を回復させ、気道を広げる作用があります
- 辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)
- 鼻づまりの改善に効果があり、鼻呼吸を助けます
- 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
- 肥満による気道周辺の脂肪を分解する作用があります
- 温胆湯(ウンタントウ)
- ぐっすり眠れて眠りの質を良くする作用があります
いびき予防
生活習慣を変える
- 横向きに寝る
- 仰向けに寝ると舌がのどの奥に沈み上気道を狭くするのでいびきをかく原因になります。
横向きに寝ると、気道が狭くなりにくくなりいびきが改善されます。極力横向きで寝る習慣をつけると良いでしょう。なかなかできない方は、抱き枕を使うと横向きに眠りやすくなります。
うつぶせに寝るのも良いです。 - 枕を変える
- 高さがあっていない枕は首が曲がって上気道を狭くします。自分にあった高さの枕に変えましょう。
- 寝る前の飲酒はやめる
- お酒を飲むとリラックス効果があり、のどや口の中の筋肉が緩み、上気道が狭くなりいびきをかきやすくなります。
寝る前のお酒は控えるようにしましょう。 - 鼻呼吸をする
- 口呼吸をするといびきをかく可能性が高くなります。鼻呼吸を行うようにしましょう。鼻炎など鼻の疾患がある場合、口呼吸になることが多いので、病気の治療をすることで鼻呼吸ができるようにしましょう。
- 肥満の人は減量する
- のどの付近に脂肪がつくと上気道が狭くなりいびきをかきます。肥満気味の人は食事療法や運動を行い減量しましょう。
- 部屋の湿度を保つ
- のどが乾燥したり、埃が侵入したりして炎症が起こると気道が狭くなりいびきの原因になります。乾燥する季節は、寝室に加湿器をつけるといいでしょう。
いびき防止に効くツボ(小指・上星)
いびきに効くツボとして有名なのは「上星」というツボです。
場所は、額の中央、髪の毛の生え際から1センチほど上の部分にあります。
ドラッグストアなどで温熱灸を購入し、この部分を刺激します。
また、手の小指にもいびきに効くツボがあり、いびき対策グッズで寝ている時に指にはめておくだけのリングも紹介しています。
いびき防止 舌の体操~あいうべ体操
あいうべ体操は、口の中の筋肉を鍛えて筋肉の緩みを防ぐことでいびきを改善するもので、かなりの効果があるといわれています。
【あいうべ体操の仕方】
次の4つの動作を順に繰り返します。声は出しても出さなくてもかまいません。
- 「あー」と口を大きく開く
- 「いー」と口を大きく横に広げる
- 「うー」と口を強く前に突き出す
- 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
①~④を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けます。
この体操は、真剣に行うとかなり疲れます。
慣れるまでは、2~3度に分けたほうが続けやすいでしょう。入浴時にやるのがおすすめです。
また、「あいうべ体操」は、しゃべるときより口をしっかり、大きく動かす必要がありますが、無理は禁物です。
いびき対策防止グッズ
いびき対策枕『いびきバスター』
音感センサー搭載のハイテク枕。いびきの音に反応して高さが変わるダブルエアバッグで睡眠時の気道を自動で確保してくれるハイテク枕。
人気商品でamazon・楽天でも品切れ状態、現在予約販売となっています。価格は19,800円
CMも話題になった人気のいびき対策枕
いびき枕
「いびきバスター」はハイテクですがそこまでじゃなくても。。。という方には一般的ないびき枕をおすすめします。
気道が開きやすく呼吸がしやすくなるような形状で首の部分の高さも調整できます。
自分にあった高さや硬さの枕を選び、快く眠れる環境を整えることが大事です。
ふつうのいびき枕は楽天市場などで買えて価格は4000~5000円くらいです。
抱き枕
いびき対策として効果的なのが横向きに寝るという方法。
この横向きで眠ることをサポートする寝具として「抱き枕」があります。
抱き枕を抱えながら眠れば、自然に横向きの寝姿勢を保つことができ、体の負担も少ないので心地のよい睡眠をとれます。
鼻腔拡張テープ(ブリーズライト)
いびき対策テープの人気商品「ブリーズライト」
鼻の上に貼るだけでいびきが改善できる手軽さが人気。口呼吸をしている人に、鼻呼吸がしやすくなるように鼻腔を拡張するグッズ。
鼻呼吸を助ける器具なので、マラソンランナーなども利用者の多いアイテム。
チューブ
ナステントと言われる商品があります。
鼻孔から柔らかいチューブ状の器具をのどちんこ付近まで挿入して、気道を確保していびきを改善するものです。
使い捨ての商品で、1週間分が4000円位するので、ちょっと高いかも。使用に際しては医師に相談してから処方してもらうことをおすすめします。
マスク
手軽に続けられる対策として睡眠時にマスクの着用が効果的です。
マスクをする事で、口まわりの湿度が高くなり、鼻の通りが良くなって鼻呼吸がしやすい状況を作ってくれます。
マスクは立体型のマスクをおすすめします。
リング
寝る前に小指にはめるだけでいびき対策になるリングがあります。
リングは特殊な形状で、リングの内側がでこぼこになっており、そのでこぼこで小指のツボに刺激を与え、鼻のつまりを改善し、鼻呼吸を促し、いびきを防止するという商品です。
いびき録音無料アプリでチェック
無料いびき対策アプリ『いびきラボ』Android・iphone対応
いびきの対策を検討する前に、いま自分がどのようないびきをかいているのか知ることが重要ですし、予防体操や防止グッズを使ってどれくらい解消されたのかをチェックするのも自分にあった対策を知るためにも必要です。
おすすめのアプリは『いびきラボ』で、アプリを起動したまま眠ると自宅で簡単に寝ている間のいびきの状況を録音できます。