個人型確定拠出年金の始め方~加入方法/申し込み手続きまとめ
個人型確定拠出年金に加入方法について、必要な条件(年齢・資格)や、どこで申し込みの手続きをするのか?金融機関や運用商品(プラン)はどういったものがあるのか?あわせて、運用後の納付方法(口座振替・給与天引き)についてもまとめてみました。
目次
個人型確定拠出年金の加入条件(年齢/資格)は?
2017年から会社員/公務員/専業主婦も対象者に
個人型確定拠出年金はこれまで自営業など個人事業主向けに運用されていた年金制度ですが、法改正により2017年1月から会社員・公務員・専業主婦の方も対象者として加入条件が拡大されました。
第1号被保険者 | 国民年金だけの加入者 個人事業主(とその家族)・アルバイト・学生 |
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第2号被保険者 | 厚生年金保険の被保険者・共済組合の組合員 (会社員・公務員) |
第3号被保険者 | 第2号被保険者の被扶養配偶者 (専業主婦・パート※社会保険加入なし) |
加入できる年齢は20歳以上60歳未満
個人型確定拠出年金に加入できる年齢は20歳から59歳までとなりますが、例えば50歳から加入した場合は10年間の運用となり、1年間で拠出できる金額(掛金)に上限があるので積み立て金額はあまり増えません。
- 50歳サラリーマンで60歳まで運用した場合※企業年金加入なし
- 掛金月額23,000円(年額276,000円)×10年=2,760,000円
- 50歳自営業で60歳まで運用した場合
- 掛金月額68,000円(年額816,000円)×10年=8,160,000円
派遣や契約社員・無職の学生でも加入できる?
年齢が20歳以上であれば無職の方や学生であっても加入できます。
とくに、派遣社員や契約社員の方は個人事業主と同じく企業年金が見込めないこともあり、個人型確定拠出年金への加入を検討される方も多いようです。
ただし、国民年金の保険料を免除されている方(障害基礎年金除く)や農業者年金の方など一部の方は加入できません。
個人型確定拠出年金の申し込みはどこで?
運営管理機関へ申し込み
個人型確定拠出年金の運用は国民年金基金連合会(NPFA)が行いますが、加入する際の申し込み手続きは指定の運営管理機関となります。
各運営管理機関へ申し込み、口座を開設することで拠出金を積み立てできます。
運営管理機関は銀行・証券会社・ゆうちょなど
運営管理機関として、銀行をはじめ証券会社・保険会社・ゆうちょなど各金融機関が認定されています。
加入者はその金融機関の中からひとつを選択し申し込みできます。
※複数機関への申し込みはできません
認定されている金融機関の一覧表はNPFAのホームページで確認できます。
店頭窓口では申し込みできない?
一般的な銀行や証券会社で加入できますが、店頭窓口での申し込みができる機関はまだ少なく、基本的にはコールセンターやホームページからの申し込みとなります。
運営管理機関の選び方~おすすめの金融機関は?
口座管理手数料が無料の管理機関
個人型確定拠出年金の口座を運用する際は、国民年金基金連合会への加入時手数料・運用手数料のほかに、運営管理機関に口座管理手数料の支払いが必要になります。
運営管理機関は多数ありますが、各機関によって手数料が異なり一般的には年間2,000円~6,000円くらいかかります。
長期に渡り運用を続けますので、仮に年間手数料4,000円で加入期間20年なら80,000円かかります。
条件によっては口座管理手数料が無料のサービスもあるので比較して選ぶのがおすすめです。
運営管理機関は変更できる
運営管理機関を決定して、運用を始めた後でも管理機関の変更が可能です。
ただし、変更時は移管手続きに手数料(3,000円~4,000円)がかかるので、何度も管理機関を変更するのはおすすめしません。
個人型確定拠出年金もペイオフの対象
年金を銀行や証券会社に預ける制度になるので倒産などによるリスクもありますが、個人型確定拠出年金もペイオフの対象になるので1機関あたり1000万円までは保障されます。
個人型確定拠出年金の加入手続きの流れは?
加入申出書を各機関へ提出
運営管理機関である銀行や証券会社に申し込みの連絡をすると、書類(加入申出書)が郵送で送られてきます。
必要事項を記入して、書類を返送すると管理機関から国民年金基金連合会へ書類が送付され審査が行われます。
審査後、個人型確定拠出年金確認通知書が送られてきます。
拠出金額(掛金)を決める
加入申し込みをする際、毎月拠出する金額(掛金)を決めます。
月々の掛金は最低5,000円からで1,000円単位で指定できます。
掛金は、1年度(4月から翌年3月まで)に1回のみ変更することができます。
掛金の上限(限度額)は加入者によって異なり、個人事業主の場合は月額68,000円、会社員(企業年金加入なし)であれば月額23,000円となっています。
個人型確定拠出年金の掛金限度額についてはこちらの記事でまとめています。個人型確定拠出年金の控除による節税額は?掛金の上限は?
運用商品を選ぶ
金融機関があらかじめ用意した金融商品(プラン)がありますので、内容を検討したうえで自分が投資・運用するプランを選びます。
- 定期預金
- 投資信託
- 国内債券
- 国内株式
- 海外株式
- 海外リート
など運用商品にはリスクの低いものからリスクの高いものまで多数のプランがあります
運用商品(プラン)の選び方は?
運用益も非課税!利回りのいい投資信託
個人型確定拠出年金は、所得控除の節税効果があるだけでなく、運用で得た利益も非課税になるというメリットがあります。
たとえば、利回り(利率)のいい投資信託プランで20年運用すれば数十万円の運用益が出る可能性もあり、その利益についても非課税となる非常に美味しい金融商品です。
ただし、ハイリターンの商品は当然リスクもあり、元本割れする可能性もあります。
元本保証(確保型)は元本割れのリスクなし
金融機関が扱っている運用商品のなかでも、定期預金などの元本確保型商品であれば、元本割れのリスクはありませんので安心して運用ができます。
もちろん、リスクが低いため運用益(利益)も0.01%程度と少ないものの、所得控除による節税をメインで考えた場合はこちらがおすすめです。
複数の運用商品への加入はNG
個人型確定拠出年金は、同時に複数の運用商品・プランに加入することはできません。
プランを変更(スイッチング)することはできますが、商品によっては手数料がかかる場合もありますので確認しておきましょう。
掛金の納付方法は?支払いはいつから?
会社員・公務員は給与天引き
会社に勤めているサラリーマンの方などは、月々の給与からの天引きが原則となります。
ただし、会社側が天引きに対応できないなどの場合は個人の口座からの振替となります。
個人事業主は口座振替
企業に勤めていない自営業・個人事業主・学生の方などは指定した銀行口座からの振替となります。
口座振替は申し込み当月の26日から
個人型確定拠出年金を申し込んだ当月からの支払いとなり、口座振替の場合は毎月26日に掛金が指定の口座から自動で振替されます。