弔電とは~基本マナーと申し込み必要事項[宛名/送り先/受取人/差出人]
弔電の意味と基本マナー・申し込みに必要な事項(宛名と受取人・送り先の住所・差出人)の書き方と注意点についてまとめ。
弔電とは
弔電(弔意電報)の意味
「弔電」は、弔意を表す言葉を伝えるお悔みの電報のことです。
どんな時に使われるのかというと、訃報を受けた際に
- 遠方にいて戻ることができない
- ケガや病気で入院している
- 別の冠婚葬祭がすでに入っている
など、通夜や葬儀にかけつけることができない時に、喪主・遺族に対してお悔みの言葉を伝えるための緊急の連絡手段です。
訃報を受け、通夜や葬儀に参列できない状況だと判断したときはなるべく早めに打電しましょう。
できれば葬儀の前日までに届くように手配するのがベストですが、遅くとも葬儀の始まる3時間前には届くようにしましょう。
申し込みの必要事項
弔電を申し込む際に必要となる事項を確認していきます。
訃報の連絡を受けたら、まず下記の項目について確認します。
- 通夜・葬儀・告別式の日時
- 場所(葬儀社あるいは自宅)の住所・電話番号
- 宗教(仏式、神式)
- 喪主の氏名
- 喪主と故人との続柄
それをもとに、弔電を申し込みに必要な事項を整理しておきます。
- 配達日(到着日)はいつにするか
- 送り先は自宅か、葬儀社か
- 宛名は誰にするか
- 差出人名(個人・会社・連名)
- 弔電本文の内容
喪主との続柄・敬称
キリスト教・仏教での違い
参考文例の確認 など
各事項のマナー・注意点はのちほどご説明していきます。
弔電を送る範囲(間柄)はどこまで
個人の場合
一般的に弔電を送るお相手の範囲・基準は、2親等以内の親族(直族・姻族)までが妥当と言われています。特別に関係が深い場合は3親等以内までであれば弔電を送っても問題はありません。
本人からみた1~3親等の範囲は誰が該当するか「親等図」などで確認しておきましょう。
- 1親等:父・母・子
- 2親等:祖父母・兄弟・姉妹・孫
- 3親等:曾祖父母・伯父(叔父)・伯母(叔母)・甥・姪・曾孫
また、友人や知人の場合は、生前親しくお付き合いをしていたか否かで決めたら良いでしょう。
会社の場合
会社からの弔電は、慶弔規定に従って対応するのが基本です。
大半の会社では、弔電の対象は社員の父母・配偶者・子供の範囲としているケースが多いようです。
弔電の送り先(斎場・自宅)
弔電は告別式の際に喪主により読み上げ(奉読・拝読)がされるので、送り先は葬儀が執り行われる場所・住所へ直接送るのがマナーです。
自宅で執り行われる場合は自宅へ、斎場などで執り行われる時はその斎場気付にします。
『葬儀に間に合わないから、後日自宅へ送る』はマナー違反
訃報を知ったのが葬儀の前日や当日で、間に合わないからと後日着で自宅へ弔電を送ろうとする方もおられますが、弔電(電報)は葬儀までに届けるための緊急の手段ですので、後日であれば手紙や直接お伺いして弔意を伝えるのがマナーです。
弔電の宛名・受取人
宛名は喪主名が基本
宛名は喪主名にします。
亡くなった方(故人)の名前で送らないように気を付けてください。
喪主名が不明(下の名前がわからないとき)
訃報を受けた際に確認しておくのがベストですが、また聞きなどで喪主のお名前がわからない場合は次のような表現を使うのがおすすめです。
- 故○○○○様 ご遺族様
- 故○○○○様 遺族御一同様
この場合○○○○のところには故人のフルネームが入ります
喪主以外の方に送る場合
弔電のあて先は喪主宛が基本と説明しましたが、「喪主ではない友人・知人」宛に送ることもできます。
その場合は、次のような表現をします。
- □□□□様方 △△△△様
この場合□□□□□には喪主名△△△△には友人・知人名が入ります。
「気付」と「様方」の違い
「気付」は宛先(場所)の下に書き、「方」は名前の下に書く語です。
- 使い方の例
- ○○葬祭場気付 ○○○○様
- □□□□様方 △△△△様
弔電の差出人
差出人名
差出人名は、弔電の受取人が届いた電報を見た時、誰からいただいたのかわかるようにすることが大事です。
誰から来た電報かわからないと、受取人がお礼を言いたくても言えない状況になってしまいます。
差出人の名前はフルネームで書くのはもちろん、名前だけでなく、
- ○○○○市◎◎◎◎
- □□高等学校 昭和△△年同窓生◎◎◎◎
など故人・喪主との間柄がわかる表現にすると良いでしょう。
差出人を連名にする
夫婦ともに故人と親交が深かった場合、連名で弔電を送ることはマナー上の問題はありません。。
ただし、弔電を連名でで出すことについて、一部の地域では「世帯主名で出すべき」という昔からの「しきたり」や「慣習」が残っているところもあるようですので、気になる方は念のため、その地域の親戚や知人・友人に聞いておくのが無難です。
会社で送るときの差出人名
会社として取引先や社員に弔電を送るときは、基本的に差出人は会社代表者名となります。
会社によって代表者の役職名(取締役社長・CEOなど)肩書が違いますが自社の役職名を使って問題ありません。
差出人(会社代表者)書き方の例
- ○○会社代表取締役□□□□
- ○○会社代表取締役社長□□□□
- ○○会社社長□□□□
また、会社の同僚に対して社員複数人でまとめて弔電を打つ場合は、連名にはせず『一同』をつけて送るのが一般的です。
差出人(会社の同僚へ社員一同から)書き方の例
- ○○会社社員一同
- ○○会社△△部一同
- ◇◇年入社同期一同
差出人の住所は入れるべき?
差出人名には住所や電話番号はいれなくてもマナー違反ではありませんが、名前だけでは喪主やご遺族の方がどこのどなたかわからないかもしれない。という場合は、名前の前に住所や電話番号を入れておくと、受取人に誰から来た電報かわかり親切です。
ただ、電報の料金を計算する際の「文字数」の対象となりますので入れる方は少ないようです。
電報申し込み時の差出人情報(電話番号・住所)の入力
インターネットの電報サービスでは、申し込みする際に差出人の住所や電話番号を登録しないといけないものもあります。
それらは何かあった際に、電報業者から連絡するための情報であり、電報自体に必ず記載されるものではありません。
個人情報の流出など不安であれば、プライバシーマークを取得している大手の電報サービスを選ぶのがおすすめです。