自動車保険に車両保険をつける必要性~高齢者は入るべき?
高齢になると視力や聴力のほか、判断力や注意力など運転に必要な能力が落ちてくるのはしかたがないことで、どんなに安全運転を心がけていてもやはり高齢者の事故率が圧倒的に多いのが現実です。
それでも、足腰が弱ってくるシニア世代にとって買い物や病院など普段の生活に車は欠かせません。
そんなシニアドライバーの方におすすめしたいのが、万が一の事故でも広い範囲で補償をしてくれる車両保険。
なぜ高齢者に車両保険がおすすめなのか、よくある事故やトラブルとあわせてその必要性や使い方・つけるべき保険の種類や車両年数の目安などをご紹介。
目次
高齢者は車両保険をつけるべき?必要性と理由
高齢者だからこそ遭いやすい(起こしやすい)事故やトラブルがありますので、実際にどんなケースで車両保険が必要になるのか具体的な事例をもとにおすすめの理由をまとめました。
高齢者に多い自損事故の補償
よくニュースになっている高齢者の事故が
『ブレーキとアクセルの踏み間違え』
長年、車を運転しているベテランドライバーには
- 「踏み間違いなんて考えられない」
- 「自分は絶対にしない」
という方も多いと思いますが、年齢・性別で見ると
『70歳以上の男性ドライバー』
の踏み間違え事故がダントツで多くなっています。
しかも、コンビニやスーパーなど日常の通いなれた場所での事故が多く、例えば
- 駐車中に携帯が鳴った
- 知人がコンビニから出てきた
- スーパーのセール告知が目に入った
など、運転中にふと注意がそれたことにより事故が起こるケースもあります。
また、踏み間違え事故以外にも、
- バックで駐車していたら車庫にこすってしまった
- 車がスリップしてガードレールや電柱にぶつけてしまった
- サイドブレーキを忘れて車が田んぼに転落した etc
これらの自損事故が原因でかかった車の修理費については自動車保険は保証対象外となります。
車両保険に加入していれば、高齢者が一番起こしやすい自損事故の場合も保険が使えるので安心です。
シニアドライバー狙いの盗難・車上荒らし
以前、ドライブレコーダーの必要性についての記事でもご紹介しましたが、高齢運転者(シニアドライバー)を狙った犯罪の手口が増えています。
『四葉マーク』がついていることで、ドライバ―が高齢であることを誰でもわかってしまうため、車上荒らしや車の盗難など「狙いやすい車」としてターゲットにされる危険性があります。
防止するには駐車録画機能付きのドライブレコーダーやステッカーを張る予防策はありますが、やはり万が一の時のために盗難にも対応した車両保険をつけておくのがおすすめです。
当て逃げ・いたずらも保険があれば心に余裕
これは高齢ドライバーに限った話ではありませんが、駐車場に停めている間にいつのまにか車にキズをつけられていたというトラブルも多々あります。
もちろん警察などに通報し、犯人がみつかれば賠償請求もできますが、相手がいなければ自損事故と同じ扱いになります。
このような場合も車両保険に入っておけば、
- 修理費用が高額になっても保険で対応できる
- 保険を使うか/使わないかどちらかお得な方を選択できる
という「心の余裕」ができ、高齢者の方に多い2次トラブル(あわてて事故を起こす・運転中にスマホで連絡してしまう・シートベルトの付け忘れなど)の予防にもなります。
事故やトラブルにあった時に、保険に入っているという事実はそれだけで落ち着いた行動がとれるものです。
まさに何かあったときの「保険」として加入しておくことをおすすめします。
高齢者におすすめの車両保険
自損事故も補償!エコノミーよりも一般型がおすすめ
シニアドライバーが遭いやすい事故・トラブルのケースを上記でご説明してきましたが「車両保険であればどんな事故でも対応(補償)してくれる」というわけではありません。
車両保険は、広い範囲をカバーしてくれる『一般型』と、車対車の事故をメインに補償する『限定型(エコノミータイプ)』とに分かれています。
高齢者や初心者の方にはやはり「一般型」の車両保険がおすすめです。
とくに高齢者の方が車を運転する上で起こしやすい事故は、車対車の衝突事故よりも電柱や車庫のブロックにぶつかるなどの単独事故(自損事故)の割合が高めです。
限定型では、単独事故が補償の対象になりませんので、高齢者の方はとくに「一般型」に加入しておいた方が安心です。
車両保険~一般型とエコノミーの違い
車対車の衝突事故をメインに、飛び石や盗難・いたずら・台風・洪水などの自然災害(地震や津波は除く)など限定された補償範囲となっています。
限定型と同じく車対車の事故など基本的な補償のほか、歩行者や自転車との衝突事故・電柱やガードレールにぶつかる自損事故・当て逃げなども補償に含まれます。
ただし一般型でも地震・津波・噴火などの自然災害は保険に含まれません。
通販型なら保険料(自動車保険+車両保険)もお得!
自動車保険に車両保険までつけると保険料が高くなるため「車両保険なし」にされている方も多いかと思います。
ですが最近は、ネット通販(ダイレクト型)の自動車保険サービスが充実し、ディーラーなど代理店型の保険に比べて安い金額で車両保険をつけれるようになりました。
また、ソニー損保やチューリッヒ・東京海上など主要な保険会社の保険料を一括で見積もりできるサービスも充実しているので、簡単に相場や目安金額をチェックできます。
車両保険は10年目の中古車でも必要?
車両保険の保険金額は車両価格に応じて設定されているので、年数が経つにつれ車両価格(評価額)が下がり、中古車になると車にかけられる保険金額が0円というケースもあります。
多くの保険会社では車両価格を毎年10%程度の減価償却をして保険金額を決めるので、車両保険をつける目安は使用年数10年未満の車というのがひとつの基準になっています。