シニア向け~確定申告の方法と税金控除(減額)のポイントまとめ

確定申告で税金控除(減額)

医療費や生命保険料がかさむ年金生活のシニア世代。
確定申告で税金控除を利用して賢く節税しましょう。
シニアだからこそ知っておきたい確定申告の方法と各種控除のポイントをまとめ。

シニア向け確定申告~税金控除のポイント

配偶者控除や扶養控除以外に税金の負担が軽減される各種控除や制度があります。
中でもシニア世代として申告をお奨めしたい項目を紹介します

医療費控除 年間の医療費が10万円超の方にメリット

シニア世代では生活習慣病の治療費の支出がかなり多くなりますが、病気やケガをした時の治療にかかる費用は課税所得から控除(減額)して貰えます。
課税所得金額によって異なりますが、概ね年間で10万円以上支払がある場合、10万円を超える金額が控除対象額となります。

本人分はもちろん配偶者や扶養家族の分も対象となりますし、薬局で購入した医薬品代や病院へ通う交通費等も対象となりますので、費用支払い時に貰う領収書を保管しておき、1年分を所定の様式にまとめて記入し申告します。

医療費・医薬品代

生命保険料控除 年間の生命保険料支払い分(上限12万円)

生命保険料もかなりの支出になっているのではないでしょうか。この保険料も課税所得から控除して貰えます。

生命保険料控除の対象となる保険料には「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護保険料」の3つのタイプがあります。
さらに「一般の生命保険料」と「個人年金保険料」は「旧制度分」と「新制度分」がありますので、合わせて5つのタイプに分かれます。
保険料控除額は5つのタイプ毎に個々に計算した金額の合計額となります。
ただし、所得税控除額は12万円が上限となります。

自分の入っている保険がどのタイプなのかは、毎年年末ごろに生命保険会社から送られて来る「生命保険料控除証明書」で確認できます。
控除額の計算方法はここでは省略しますが、申告書の該当箇所に入力すればいくらになるのか表示してくれます。

生命保険

配当に係る税金の還付 年金収入370万円以下なら税金が還ってくる

手持ち資産を運用して株式や投資信託の配当を貰っている方も多いと思いますが、証券会社等で「源泉徴収あり」で取引されている方は、NISA口座を除いて、これらの配当から所得税15.3%及び住民税5%が源泉徴収されています。

所得税15%は課税所得金額が200万円以上の方に相当する税率ですから、課税所得金額(注)が200万円以下の方は、確定申告をすることにより還付金を受け取れる可能性があります。

課税金額200万円は各種控除額により異なりますが、年金総収入換算で約370万円位が目安になります。

年金

(注)課税所得金額=(総収入額―所得控除額)― 各種控除額
所得控除額は総収入を基に所定の計算式により算出
各種控除とは基礎控除、配偶者控除、扶養控除、保険料控除、医療費控除、等

◎年金収入と課税所得金額の計算…平成27年4月現在
年齢65歳未満年齢65歳以上
年金総収入300万円370万円300万円370万円
所得控除額112.5万円130万円120万円130万円
所得控除後の金額187.5万円240万円180万円240万円
各種控除額38万円38万円38万円38万円
課税所得金額149.5万円202万円142万円202万円

(各種控除は基礎控除のみで試算)

尚、この配当申告には、配当の明細が記入され源泉徴収されていることを証明する資料として、毎年1月下旬に証券会社等から送付されて来る年間取引報告書の添付が必要です。

確定申告書作成と提出方法

①税務署や市役所に出向いて作成

税務署や市役所で確定申告書を作成・提出

申告の時期が近づくと、最寄りの税務署や市役所に所得税の確定申告の用紙が準備され無料でもらえますので、この用紙に必要事項を記入作成し申告します。

記入の仕方がわからない場合、税務署や市役所に相談窓口が開設されますので、資料を持参して作成方法を無料で教えてもらうことができます。
また、パソコンが準備されておりその場で入力し、印刷・提出までまとめて済ませられます。

②自宅のパソコンで作成

自宅のパソコンで確定申告書を作成~郵送で送付・e-taxで送信

パソコンをお持ちの方は、インターネットで国税庁のホームページにアクセスし「所得税確定申告書等作成コーナー」の画面から作成要領の案内に従って作成する方法もあります。
ホームページ上で入力したデータは、途中で保存(ダウンロード)することもでき、あとから入力を再開することも可能です。
作成したデータはダウンロードしておけば、来年以降も使えるので住所や支払元などを再度入力する手間が省けます。

自宅で作成・印刷したデータは入力内容に問題(不安)がなければ税務署に郵送で送付してもかまいません。
入力内容や添付資料など不明な点があれば税務署に持参して確認するのがおすすめです。

また、「e-Tax」を使えば税務署には行かずに自宅から直接インターネットで申告書を送信することもできますが、事前に市役所で電子証明書(ICカード)*1を取得することと、送信に必要なカードリーダーライターの購入が必要ですので、最初は書面での作成がベターだと思います。

*1)ICカード(住民基本台帳カード)の発行には約500円/1枚かかり、有効期限は3年となっています。

確定申告の期間

原則:2月16日から3月15日

但し、税金の還付を受ける場合は、2月15日以前でも受け付けてくれます。
3月15日を過ぎると受付して貰えませんので、期限内に早めに申告されたら良いと思います。

確定申告の提出先

自分の住所地を管轄する税務署、又は市役所の特設会場等ですが、記入が間違いなくできていれば上記のとおり郵送でも可です。

必要な資料の収集・保管

確定申告に必要な資料で主なものは下記の通りです。
大半が12月中旬から1月末頃までに郵送されて来ますので、都度確認し申告書作成まで保管しておきます。

  1. 所得税の源泉徴収票
    (会社が発行する源泉徴収票)
  2. 公的年金等の源泉徴収票
    (社会保険庁や信託銀行発行の証明書)
  3. 社会保険料控除証明書
    (社会保険庁発行の国民年金保険料の徴収証明書)
  4. 保険料納付証明書
    (健保組合発行の健康保険/介護保険料の徴収証明書)
  5. 生命保険料支払証明書
    (生命保険会社発行の生命保険料徴収証明書)
  6. 医療費支払い分の領収書
    (医療機関に支払時に貰った領収書を保管)

これら以外にも「配当控除」「雑損控除」「寄付金控除」等、控除を受けることができるものがありますし、株式売買による損失があれば「譲渡損失の繰越」
や「配当金との損益通算」ができる制度等もあります。

自分に該当するものがあれば、必要な証明書を準備して税務署に相談すれば申告書への記入方法を教えてくれます。

ウエディングナビTOP最新記事を一覧でチェック!

PAGE
TOP