個人型確定拠出年金とは?2017年法改正後の加入条件は?
シニア世代の私たちはすでに年金を受給していますが、40代~50代の息子世代は今の年金制度では将来十分な年金がもらえるかどうか不安です。
老後に備え貯蓄や資産運用などをしている方も多いと思いますが、会社員・サラリーマンの方には2017年から加入OKとなった「個人型確定拠出年金(ideco)」がおすすめです。
この制度は、「ゆとりある老後」の実現に向け個人の貯蓄を促進するためにつくられた制度で、所得控除による節税と老後の必要資金の貯蓄ができる一石二鳥な制度です。
もちろん、個人事業主や自営業など将来退職金がもらえない方も、この制度に加入することで老後の資金手当ができますので活用されるのがおすすめです。
目次
個人型確定拠出年金とは?
確定拠出年金法に基づいて設立された年金制度で、【ideco-イデコ】の愛称でテレビや新聞・ラジオでも宣伝され話題になっています。
個人型確定拠出年金~ideco(イデコ)
国民年金基金連合会が主体となって実施している年金制度です。
簡単に言うと、公的年金だけでは足りない老後の生活資金をカバーするために、個人が自分で掛け金を積み立てる制度です。
おおまかな流れとしては以下のようになります。
- 個人加入者が、掛け金を毎月拠出(積み立て)
- その資金を金融商品に投資して運用
- 60歳以降に給付金(一時金・年金)として受け取り
もちろん、年金を積み立てても「お得感」がないとみんなしませんよね?
だから、個人型確定拠出年金には大きな節税効果があり、そこが注目されています。
では、誰でも積み立てできるのか?というと加入条件が設定されています。
個人型確定拠出年金の加入条件(資格・年齢)
年齢は、20歳から60歳までの方(日本国内に住んでいる)が対象です。
ただし、これまでは個人事業主や自営業の方に限られていました。
2017年1月の法改正で公務員・専業主婦・会社員も対象者に
2017年1月の法改正により専業主婦や会社員(サラリーマン)・公務員の方も加入できる制度になりました。
そのため公的年金と企業年金にさらに上乗せする形で、3階建ての充実した年金積み立てを行うことが可能になりました。
会社員・公務員の年金は3階建て構造に
法改正後の現在、サラリーマンや公務員の方が加入できる年金の種類は下記の3種類(3階建て構造)になっています。
公的年金(国民年金・厚生年金)
1階部分は公的年金といわれるもので、
- 国民年金
- 厚生年金
があり、年金の基本となっている部分です。
自分で掛けた金額に国からの加算部分を合計した金額が年金としてもらえます。
企業年金(厚生年金基金/企業型確定拠出年金など)
2階部分は企業年金で、公的年金に上乗せして貰える年金です。
企業が掛け金を負担して拠出・運営するものや、退職金を預かって年金として給付するものなど、基本的に企業が従業員のために資金の運用を行う方式の年金です。
- 企業型確定拠出年金
- 確定給付型企業年金
- 厚生年金基金など
個人年金(国民年金基金/個人型確定拠出年金など)
3階部分は個人年金です。(私的年金とも言います)
個人が自分で掛け金を拠出し、積み立てた資金を運用し、それを年金として受け取れます。
- 財形年金
- 国民年金基金
- 個人型確定拠出年金など
自分で掛けた拠出金ですから当然上乗せして受け取りできる年金になります。
公的年金+企業年金+個人年金でより安心できる老後に備えられます。
節税と老後の貯えのための制度
つまり、個人型確定拠出年金は節税ができて、老後の暮らしのために資産を貯蓄・運用できる制度ということです。
とくに、2017年からはサラリーマンや公務員も対象となったので、そのメリットが活かせると話題になっています。
次回はそのメリット(節税)についてとデメリットについてまとめてみます。
補足:確定拠出年金(DC)とは
日本の確定拠出年金(英語でDefined Contribution Plan:略してDC)は、もともとアメリカで考えられた「401K」と呼ばれる年金制度を参考に2001年から日本でもスタートした制度です。
現役時代に掛け金を確定して拠出し、その資金を運用し元本と運用損益の合計額を老後のための生活資金として受け取る年金制度で、企業型と個人型があります。
企業型DCと個人型DCの違いについて
- 企業型DC
- 拠出する掛け金を原則会社が負担する方式の年金のことです。
従来の退職金制度に変わる制度としてすでに多くの企業で導入されています。 - 個人型DC
- 拠出する掛け金を原則個人が負担する方式の年金のことです。
今回ご紹介するのは、拠出する掛金を全額個人が負担する個人型のDCです。