結露の原因は温度差!原理/メカニズムと予防方法まとめ
冬の寒い時期になると窓やサッシに結露が発生しびしょびしょに濡れて困ります。
結露の原因は何なのか、どんな条件(場所・時期)で発生し、どうすれば防止することができるのか予防方法をまとめてみました。
結露とは
結露とは、湿気(水蒸気)を含んだ暖かい空気が冷やされることで湿気が凝縮して水滴に変わる現象のことを言います。
結露の原理・メカニズム
空気中には水分(水蒸気)が含まれておりますが、水蒸気として空気の中に入ることができる水分の量には限界があり、空気が水蒸気を含むことが出来る限界の量を飽和水蒸気量といい気温によってその量は変動します。
温度が高い暖かい空気は水蒸気を多く含んでいますが、冷たい空気は水蒸気を少ししか含むことができないので、暖かい空気が冷えると飽和水蒸気量も下がり、空気中に保持しきれなくなった水蒸気が水滴となって現れてくるのです。
この飽和状態の時の気温、つまり水蒸気が水滴に変わる温度を「露点温度」と言います。
結露の発生条件
結露が発生する原因は「室内温度」「室内の湿度(空気中の水蒸気の量)」「室外の温度」が関係しており、これらがある条件になった時に「結露」が発生します。
一般的に外の気温が低い日は結露が発生しやすい状態になっており、室内の温度と湿度がわかれば、結露が発生する室外温度つまり露点温度は何度くらいなのか推測できます。
室温と湿度から推測できる露点温度の目安
部屋の湿度 | ||||
---|---|---|---|---|
室温 | 50% | 60% | 70% | 80% |
5℃ | -4℃ | -2℃ | 0℃ | 2℃ |
10℃ | 0℃ | 3℃ | 5℃ | 7℃ |
15℃ | 5℃ | 7℃ | 10℃ | 12℃ |
気温差 | 約10℃ | 約7℃ | 約5℃ | 約3℃ |
上表は特別の結露対策などを行っていない普通の家の場合の露点温度表ですが、室温が高くて湿度も高い時ほど露点温度は高くなります。
つまり室外の気温がそんなに低くない日でも結露が発生しやすくなります。
室内の気温と湿度をチェックし、朝方の推定気温がわかれば結露が発生するかどうか大体予測できますので対策を行うことができます。
結露しやすい時期・場所
暖房・加湿器を使い始める冬場
1年の中で最も結露しやすい時期は、暖房機器や加湿器を使う冬場です。
冬場は暖房で室内の気温が上がり、加湿器を使用すれば湿度も高くなりますので露点温度はかなり高くなります。
一方、室外は気温が低いため、露点温度と室外の気温との差が大きくなるので結露しやすくなります。
気密性の高いマンションは要注意
マンションは
- 鉄筋コンクリートの中の水分が放出されやすい。
- 窓が少なく、十分な換気ができない
- 物干し場が狭く、室内干しすることも多い
といった特徴があり、戸建て住宅に比べ気密性が高く、窓やサッシだけでなく床や壁などの表面に結露が発生してしまうケースもあります。
とくに、押入やクローゼットは空気の入れ換えがなかなかできず、湿気が滞留⇒結露が発生しやすい場所ですので意識して換気を行う必要があります。
外との温度差でパソコン・スマホが故障
冬場は寒い室外から温かい室内に入るとメガネが曇ったりしますが、同じように冷たくなったスマホやパソコンにも湿気がついて結露が発生します。
機械内部に水滴がついたまま通電するとショートして故障するケースもありますので、急激な温度変化には気をつけましょう。
また、窓際近くにパソコンやスマホを置いたまま就寝し、朝起きてみたらパソコンやスマホに結露が発生しており、それが原因で故障することもありますので注意が必要です。
結露は、外の冷たい空気に接している窓やサッシなどに発生することが多いのですが、冬の寒い日は、暖房により室内の気温が高くなり露点温度も高くなっている状態で、室外の空気が冷たいと結露の範囲が窓際から少し離れた場所でも結露が起こります。
パソコンやスマホを窓際に置いたままにしないようにしましょう。
結露の発生場所と問題
表面結露と内部結露
結露には表面結露と内部結露があり、一般的に多いのは表面結露で冬季に窓ガラスやアルミサッシなどに発生する結露です。
朝起きた時、窓ガラスやサッシの部分が結露でびしょびしょに濡れ、そのまま放っておくとカーテンまで湿気で濡れてカビの原因になります。
一方、内部結露は建物の室内側が防湿対策がされていない時など、室内で発生した水蒸気が壁の中に進入して結露が発生します。
内部結露が発生すると、壁紙が剥がれたり、天井や床の木材・断熱材などが腐り劣化が進み、建物の寿命が短くなったりすることがあります。
エアコンによる夏場の結露(壁の中の結露)
内部結露は、主に冬場に発生しますがエアコンをガンガン使うと夏場でも内部結露が発生します。
発生の仕組みは、エアコンを運転している涼しい部屋とエアコンを運転していない蒸し暑い部屋とが隣り合わせになっていると、部屋と部屋を仕切っている壁の部分で温度差が生じ、壁の内部で結露が発生し、知らない間にカビが生えたり腐ったりすることがありますので注意が必要です。
結露対策~予防方法・裏ワザ
窓の結露・カビ対策には中性洗剤
最近、料理・掃除の達人としてテレビなどで話題となっている「家事えもん」ことお笑い芸人の松橋さんもおすすめの結露防止対策の一つとして中性洗剤を使う方法があります。
食器などを洗う時に使う中性洗剤を溶かした溶液をタオルなどに浸み込ませて窓を拭くことで結露の発生を抑えることができます。
原理は、中性洗剤の中に含まれる界面活性剤に水分をはじく性質があり、この性質を利用して簡単に結露が防止できるという方法です。
結露でお悩みの方は一度試してみてください。
具体的なやり方・手順
- .水1ℓに中性洗剤50mlを溶かし、よくかき混ぜます。
- その溶液にタオルを浸し軽く絞ります。
- 絞ったタオルで窓ガラスやアルミサッシ部分を拭きます
- 乾いたタオルで乾拭きし中性洗剤を全体に薄くのばします
これで完了です、一度塗布すれば数日間は効果があります。
冬場は結露が起こりやすいので、朝方の冷え込みが予想されるような場合は、前日の夜に中性洗剤に浸したタオルで拭いておけば結露の発生を防ぐことができます。
カビの除去にはエタノール
また、結露が原因でカビが生えているようであれば、エタノールで掃除するときれいにとれます。
エタノールをタオルか雑巾に吹き付け、カビのある部分を拭き取るだけで除去できます。
エタノールはドラッグストアや楽天・アマゾンなどで500CC入りのものが1,000円前後で購入できます。
24時間換気
部屋に換気扇があれば、24時間換気することで結露の発生を抑制する効果が期待できます。
先ほども説明した通り、室内の温度・湿度が高いほど露点温度が高くなり結露が発生しやすくなりますので、換気により
- 湿気の多い室内の空気を排出する
- 室内と室外の気温差を小さくする
ことで結露の発生を予防できますでの、 結露の発生が心配される日には前夜から換気扇を回しておくと良いでしょう。
扇風機・サーキュレーターで乾燥
結露は、室内の暖かい空気が冷たい窓に触れて冷やされて発生します。
ならば、部屋の空気を循環させて窓際で冷やされる前に移動させれば結露は発生しにくくなります。
扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させれば結露の発生を防げますし、エアコンの暖かい空気を部屋全体に広げることがで省エネにもなります。
結露対策のリフォーム・DIY
二重窓
窓ガラスやアルミサッシの結露がひどくて困っているのであれば、お金はかかりますが窓の内側に二重窓(内窓)を設置するリフォームがおすすめです。
二重窓なら、窓ガラス面はもちろん今の窓のアルミサッシ枠の結露防止にも効果があります。
最近はDIYで取り付けできる簡単でお得なタイプもあります。
プラダン
見た目はちょっとダサい感じがしますが、プラスチックダンボールを窓全体に貼りつけて結露の発生を抑える方法もあります。
素人でも簡単に作業ができて、冬場が終われば簡単に取り外し可能で費用も安上がりですが、窓の開閉ができなくなることとプラダン自体が不透明ですので外が見えなくなるのが難点です。
このほかにも便利な結露対策・予防グッズがたくさんあるのでおすすめの商品をこちらでまとめています。